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“無料なのにビジネスでも十分に使える”で急成長しているクラウドサービス10選

Tayoriのプレビュー版を公開して1か月が経とうとしています。

ただ今、7月の正式なローンチに向け、まだまだ足りない機能を絶賛開発中。加えてもうひとつ、英語圏向けにローカライズにも取り組んでいます。

サービスをより多くの人に届けようと思うと,言語や文化が異なる国や地域へのローカライズは避けられません。

Tayoriの開発は「自分たちが抱える不都合を解消したい」という思いからスタートしました。でも世界を見渡せば、同じような課題を感じる人は数多くいるはずです。そんな人たちにTayoriを見つけてもらいたいので、あらためてマーケティングを学んでいます。せっかく情報収集したので、独り占めしないで共有することにします。

今回は、“無料なのにビジネスでも十分に使える”ことで、急成長しているクラウドサービスを紹介します。

 

1. MailChimp(http://mailchimp.com/

MailChimpは電子メールの一斉配信サービスです。最大の特徴は、HTMLメールがドラッグ&ドロップで簡単に作成できること。もちろん、スマホでも直観的に操作できます。無料プランで、最大2000人に対して月間最大1万2000通までメールを送れるので、小規模のECサイトのメルマガなら十分ですね。

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MailChimpは2001年にサービス開始、最初の2年で2万ユーザーも獲得できませんでしたが、今では800万ユーザーに達し、1日に6億通のメールを送信するサービスに拡大しています。2014年だけで新規に289万ユーザーを獲得し、サーバを250台増設するなど、まだまだ成長中です。

余談ですが、GIGAZINEでMailChimpの記事を見かけて、Tayoriもこんな風に紹介されたら最高だなぁと思ていたんですが…。なんと念願かない、Tayoriを紹介いただきました! 突然のことで驚きましたが、ほんとうに嬉しいです。

2. Zenefits(http://www.zenefits.com/

給与計算、福利厚生、入退社手続き、勤怠管理など人事業務を管理するソフトウェアを無料で提供します。

2013年のサービス開始からわずか2年で、全米48州で1万社以上が利用。いきなり急成長をとげています。

Zenefitsの急成長の背景には、2014年1月に施行されたオバマケアの存在があります。

アメリカではこの医療保険制度改正で、従業員数が50人超の企業は週労働時間が30時間を超える従業員に医療保険を提供する義務を負うことになったんです。そこで、Zenefitsは無料で全ての機能を提供する一方で、顧客企業にZenefitsを通じて医療保険を販売し、保険会社から手数料を受け取っています。といっても、顧客企業の85%はZenefitsから保険を購入することなく、Zenefitsを無料で使い続けています。

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ただ、ユタ州のリベート禁じた法律に適法か争点になり、ユタ州で一時的に販売停止になることも。まあ、新しい“ビジネスモデルあるある”ですね。

売上高は2013年100万ドル、2014年1900万ドルに達しました。そして、2015年の売上高は1億ドルに拡大すると見通しです。

また、今月(2015年5月)に、時価総額45億ドルの評価で5百万ドルを調達して調達しています。

 あと、Zenefits といろんな点で似ている、2012年創業の給与支払サービスZenPayrollも急成長しています。Zenefitsと異なり、価格は有料のみ。月額利用料は基本料金25ドル+社員1名につき4ドルと、シンプル設計です。しかも有料オンリーなのに、すでに1万社のクライアントを抱えています。

ZenPayrollも先月(2015年4月)、Google Capitalをリードインベスターに6000万ドルを調達しています。

 3. New Relic(http://newrelic.com/

New Relicは2008年創業のサーバモニタリングサービスです。サーバ監視は従来、オンプレミス(自社で構築する)しかなかったんですが、ここ数年クラウドサービスが台頭しています。

日本語にローカライズされていないものの、ググると日本でもNew Relicの導入方法を紹介するのを見かけます。実際にPR TIMESで試すとこんな感じ。

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無料でも24時間監視してもらえます。でも、過去のトレース・データを確認するためには有料プランへの変更が必要です。データがどうしても欲しくなるような(例えば、障害が発生した)タイミングで、課金ポイントが出現するとは、なんとも絶妙なプライシングですね。

2014年12月時点でアカウント数は250,000以上に対して、有料アカウントは11,270。有料比率4.5%と今はまだ低めです。

それでも2014年の売上高は96百万ドル(前年比71%増)、当期純損失45百万ドルです。大赤字ながら2014年12月にIPOして、101百万ドルを調達しています。ちなみに現在の時価総額は15億ドルです。

4. SurveyMonkey(https://www.surveymonkey.com/

先日、2009年からCEOとしてSurveyMonkeyの成長を牽引してきたDave Goldberg氏の突然の訃報に、言葉を失った方も多かったのではないでしょうか。

SurveyMonkeyは1999年創業のアンケートサービスです。様々な設問のアンケートを簡単に作成し、配布、回収した回答を分析できます。用途は、顧客満足度調査が一番で、次が従業員満足度調査です。どちらも従来なら膨大な予算を投じて専門家に任せてきたものを、見事に代替しました。

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無料で、最大10問のアンケートを最大100人から回収できるので、ちょっとしたアンケートなら無料プランで十分です。

SurveyMonkeyは今では米Fortune500企業の99%が導入し、2500万ユーザーに達するサービスに成長しています。また2013年時点で、有料プランのユーザーは35万に達し、1日に回収されるアンケート数は220万を超えています。驚きなのは、創業以来黒字経営を続けていて、2012年時点で売上高113百万ドル、営業利益62百万ドル。なんと、クックパッドやヤフーを上回る、営業利益率55%です!!!

利益剰余金が積みあがっているはずですが、2014年12月に2億5000万ドルを調達しています。ちなみに、このときの評価は時価総額20億ドルでした。

5. Qualtrics(http://www.qualtrics.com/

アンケートサービスをもうひとつ、2002年設立のQualtrics。SurveyMonkeyと比べて、教育機関への導入実績が豊富で、米ビジネススクールトップ100の内99校が利用しています。日本語対応していないものの、名古屋大学大学院の五十嵐祐研究室が非公式で日本語マニュアルを公開するほど愛されています。

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ただ、企業への導入はSurveyMonkeyに後れを取っていて、フォーチュン100企業の50%、全世界で7,000社にとどまっています。

2014年9月に時価総額10億ドルの評価で1.5億ドルを調達しているので、SurveyMonkeyとどのように戦うのか注目です。

6. WordPress.com(https://wordpress.com/

WordPressの生みの親として知られる、Automattic。世界のサイトの23%がWordPressで作られているそうです。なかでも、WordPress.comは月に5610万の新たに投稿され、その投稿に対してコメントが6810万以上生まれ、4億900万人を超えるユニークユーザーがおり、月間ページビューは186億PVという世界有数のトフィックを誇るサービスです。

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このような巨大サービスを、全世界36か国にいるわずか321名の社員で運営しています。全員がリモートで働くことでも有名で、ユニークな働き方が注目を集めています。例えば、リモートワークなのにメールをほとんど使わないとか、実際に働かせてみて採用を判断するとか、有給休暇に日数制限がないのも驚きです。

そんな特異な同社の働き方を元社員がつづった一冊「The Year Without Pants: WordPress.com and the future of work(パンツをはかない一年: WordPress.comと働き方の未来)」は、米Amazonのベストブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。(日本語版のタイトル「マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた」はもったいないですね。)

本書からちょっと引用すると、単なるオモシロ人事制度会社でないことがわかりますね。

どれほど素晴らしいテクニックも愚かな社員を賢くすること0はできないし、疑心暗鬼の職場にどんな方法を導入しても、社員が同僚や上司を魔法のように信頼しだしたりはしないのだ。

より多くの時間をかけて、よりよい貢献をする人が尊敬された。権威は与えられるものではなく、みずから獲得するものであり、肩書きや称号はわずかだった。

 ちなみに、2014年5月に時価総額11.6億ドルの評価で、1.6億ドルを調達。これまで合計3.2億ドルを調達しています。

7. Slack(https://slack.com/

日本のスタートアップシーンでも流行っているSlack。その証拠に、サンフランシスコ、ニューヨークに次いで東京で、多く利用されています。2013年8月に’email killer’として公開したSlackは、ひと言で説明すると「チームコラボレーションサービス」です。2014年2月に正式ローンチ、その1年後にはデイリーアクティブユーザーが50万を突破、そして今現在その数は75万人に達しています。すでに有料ユーザーが20万人も!  

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もともとこの分野には、グローバルでSkype、Yammar、HipChat、日本国内でもChatWork、Talknoteがしのぎを削る「激戦区」です。なかでも最後発なのに、有料プランが他より高いんです。

そして何より特徴的なのが、Product Hunt へ最初にコメントしたDuxterのアダム・リーブCEOの発言内容です。

「My team switched out HipChat for Slack and have been really happy.(私のチームはHipChatからSlackに変更しました。実に満足しています。)」

「I've been chatting with one of their folks about some of the things we are missing. Hopefully we'll see them added.(いくつかの要素が見当たらず、そのことについて彼らの中の1人とチャットをしています。その要素が追加されるといいのですが。)」

「One of the most useful features of hipchat is the running history of files/links that have been shared in a room.(HipChatの最も役に立つ機能の1つで、部屋の中で共有されたファイルやリンクの連続した履歴です。Slackでこの機能を追加してほしいです!)」

 HipChatよりいくつか機能が不足しているのに、本当に満足してそうってことです。

ついでながら、先月(2015年4月)、時価総額28億ドルの評価で160万ドルを調達。これまでに合計340万ドルを調達しています。

8. Dropbox(https://www.dropbox.com/

Dropboxもこのリストから外せませんね。今さら多く語ることはありませんが、売上高は2011年に46百万ドル、2012年に1億16百万ドル、2013年に2億ドル、2014年に4億ドル。売上高が数百億円規模でも倍々ペースで成長を続けています。

今や世界で3億数千万ユーザーを集めるDropbox。招待増量プログラムがユーザー獲得に大きく貢献したことは有名です。2008年3年にクロースドβ版を公開後、(正式版をローンチする前に、)デモ動画をアップして話題を呼び、事前登録ユーザーを集めましたことも忘れていけませんね。


DropBox Demo - YouTube

この動画がDiggHacker News界隈でバカウケして、24時間で10,000以上のDiggられました。Diggのオーディエンスを狙った隠れキャラをいっぱい仕込んであったんです。結果として、事前登録者が一晩で5000人から7万5000人に急増しました。

ちなみに昨年2月に3.5億ドルを調達した際の時価総額は、なんと100億ドルでした。

  9. Box(https://www.box.com/

Dropbox をリストアップしたら、2015年1月にIPOしたBoxも外せません。 Dropboxと比べ法人向けの印象が強いですが、パーソナルプランは10GBを無料で使えます。フォーチュン500企業のうち50%が導入し、27万5000社超の企業と3,400 万人以上のユーザーが利用しています。

2014年の売上高1.24億ドル、純損失1.68億ドル。2015年1-3月期売上高6,260万ドル(前年同期比61%増)、純損失5,292万ドルでした。大赤字がまだまだ続きそうなのに、現在の時価総額20億ドルと巨額です。

10. Trello(https://trello.com/

Trelloはトヨタ自動車のカンバン方式ライクなタスク管理ツール。カードのように並べるビジュアルと、直感的な操作性が売りです。

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 2011年9月にサービス開始すると、2012年7月に50万ユーザーを突破。2012月12月に100万ユーザー、2014年5月に400万、そして先月800万ユーザーを突破しています。

基本的な機能は全て無料で使えます。

ゴールドプラン(月5ドルor年45ドル)にすると、ステッカー(LINEでいうスタンプ)が増やせたり、背景が変更できたりします、ファイルアップロード制限が10MB→250MBなります。んー、課金が遠いような気がしますねー。

あと、Trelloとクリソツなtaskuluが2014年9月に登場。今後、熱い戦いが繰り広げられそうです。

 最後に、

故スティーブ・ジョブズ氏が2005年のスタンフォード大学卒業式記念講演で、「Whole Earth Catalogue」休刊号の裏表紙の言葉『Stay hungry, stay foolish(飢え続けろ、愚かであり続けろ)』を聴衆に贈ったことは有名ですね。その編集長だったスチュワート・ブランド氏の言葉、

情報は高価になりたがる。なぜなら貴重だからだ。正しいところに正しい情報があれば、私たちの人生さえ変わりうるのだ。他方で、情報はフリーになりたがる。なぜなら情報を引き出すコストは下がりつづけているからだ。今はこのふたつの流れがせめぎ合っているのだ。

もまた有名です。

この話は情報だけに限らず、ツールもまた同じことが言えそうです。

 

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最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございます。

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参考サイト: