IDEOやfrog designも！マッキンゼーがLUNAR買収と聞いて、デザイン会社のM&Aを調べてみた

Tayoriの開発プロジェクトをキックオフしたのは2013年12月。当時から「デザイン」は重要なテーマでした。

今も7月の正式版ローンチに向け、機能改善や多言語化のほか、デザインもブラッシュアップしています。そんなとき、デザイン会社のM&Aの一報を目にしました。5月14日、デザインファーム「LUNAR」がマッキンゼー・アンド・カンパニーの傘下入りすることを発表したんです。

マッキンゼーは言わずと知れた世界２大ファームのひとつ。社員1万7000人（うち、9000人がコンサル）、売上高80億ドル。社員一人当たり売上高が約5600万円はしびれます！

元経産相の茂木敏充氏、DeNAの南場智子氏など、日本でもその卒業の存在感は絶大ですね。

一方、LUNARは1984創業、社員75名のデザイン会社。Apple、シスコ、コカ・コーラ、DKNY、エレクトロラックス、Google、HP、Intel、ジョンソン・エンド・ジョンソン、Nike、ソニー、フィリップスなどなど。世界有数の企業がクライアントリストに名を連ねます。

ここ数年、有名経営者の相談相手としてデザイナーやクリエイティブディレクターが指名されることが増えていると聞きます。日本でも、ユニクロ柳井正氏やセブン＆アイ鈴木敏文氏が佐藤可士和氏にデザインにとどまらない役割を依頼していることは有名ですね。今の時代の経営には、デザインの重要度が増していると実感しています。

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正直、マッキンゼーともあろうトップファームにもかかわらず、デザイン会社のM&Aに乗り遅れた感が否めません。

そこであらためて、ここ数年のデザイン会社の買収動向を調べてみました。

1. IDEO → Steelcase (1996：2007年にMBO)

IDEOのOB、深澤直人氏の活躍で日本でも名の知られた存在のIDEO。東京にもオフィスを構え、世界で650名の社員を抱える大手デザインファームです。

実は、米家具メーカーSteelcaseの子会社だった時期があったんです。IDEOが1991年に創業後、1996年にSteelcaseはIDEOに出資、過半数を取得。その後2007年に、IDEOの経営陣が株式を買い戻しています。

IDEOはNode Chair、LeapなどSteelcaseのヒット商品を数多くデザインしたのは有名ですね。

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2. frog design → フレクストロニクス → Aricent (2004, 2006）

シンガポールのフレクストロニクスは2004年、米frog designを25百万ドルで買収。フレクストロニクスは鴻海精密工業に次いで世界2位のEMSメーカー。frog designは1996年設立、Appleの初期Macをデザインしたことでも有名な世界有数のデザインファーム。社員は世界で600名を超えます。

その後、米投資会社KKRが2006年4月、フレクストロニクスのソフト事業（フレクストロニクスSDS、後にAricentへ社名変更）をfrog designも含めて買収（正確には株式の85％を9億ドルで取得）。

3. 80/20 → Square (2012/10)

米Squareが2012年10月、米80/20を買収。80/20は元AppleのAndrew Borovsky氏と元AdobeのJerry Knight氏が設立したデザイン会社。80/20は消滅し、社員はSquareへ移籍しました。

ただ、Jerry Knight氏は現在もSquareに在籍しているものの、Andrew Borovsky氏は去って不動産投資テクノロジースタートアップ「CADRE」に参画しています。

4. Fjord → アクセンチュア (2013/5)

米アクセンチュアが2013年5月、英Fjord（フィヨルド）を買収。Fjordは2001年設立、世界15拠点に400名以上のデザイナーが在籍しています。

Fjordが公開してる「Annual Trends」が、今年から日本語訳がアクセンチュアで公開されているのは嬉しい限りです。

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5. Ideacodes, Thumb Labs → Adobe Systems (2013/5)

米アドビが2013年5月、米Ideacodesと米Thumb Labsを立て続けに買収。Ideacodesは2004年創業で、あのIDEOもクライアント。創業者のEmily Chang氏とMax Kiesler氏は現在もCreative Cloudのクリエイティブディレクターとして活躍しています。

Thumb Labsはモバイルアプリにフォーカスしたデザインスタートアップ。同じくAdobeに買収されたデザインポートフォリオサービス「Behance」のデザインを担当したことでも有名。

6. Gecko → Google (2013/8)

米Googleが2013年8月、米Geckoを買収。Geckoは無人自動車など次世代技術の研究機関、GoogleXに加わっています。

Googleは2012年5月にも、Xbox360など手掛けた米Mike & Maaikeを125億円で買収して、Androidのプロジェクトに統合していますね。

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7. fuseproject → ブルーフォーカス・コミュニケーション (2014/7)

中国のブルーフォーカスが2014年7月、米Fuseproject株式の75％を46.7百万ドルで取得。ブルーフォーカスはアジア最大のPR会社、1996年設立ながら世界で業界トップ10に入ります。2014年の売上高は217百万ドル（前年比78％）とまだまだ成長途上です。

一方で、fuseprojectは1999年設立、（個人的に大好きな）イヴ·ベアール率いるデザイン会社。たとえば、PUMAのClever Little Bagは超ステキです。箱とバッグを組み合わせ、紙材料を65％削減しちゃってます。

8. Odopod → Nurun → ピュブリシス・グループ (2011/9 → 2014/11)

広告業界でもうひとつ。カナダのデジタルエージェンシーNurunが2011年9月、米Odopodを買収。Odopodは社員60名で、クライアントはソニー、テスラ、エレクトロニック・アーツ、Nikeなど。

その後、Nurunは2014年に、世界広告代理店4位の仏ピュブリシス・グループの傘下に加わっています。

9. Sofa, Hot Studio, Teehan+Lax → Facebook (2011/6, 2013/3, 2015/1)

そして、最もデザイン会社のM&Aに積極的なのが、Facebookです。2011年6月にMozillaなどを担当した蘭ソフトウェアデザイン会社のSofa、2013年3月には米Hot Studio、2015年1月にはTeehan+Laxを買収しています。目的は、いずれも人材獲得。

いかがでしたでしょうか？今の時代、イケてるデザイン会社は本当にモテモテですね。Tayoriでは正式オープンに向けて、デザイナーも募集しています。新たなチャレンジに興味がある方、まずはお話だけでも大歓迎です。ご応募をお待ちしております！

参考情報

Tayoriブログ

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