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Amazon、セブン&アイ、ユニクロ!日米トップ経営者に学ぶ「顧客と良好な関係を築く」3つの視点

電話、メール、Webサイト、ソーシャルメディアなどなど。企業と顧客のコミュニケーションチャネルは増え、その距離はぐっと縮まりました。が、顧客との関係を良好に発展させるには、ツールを使いこなすより大切なことがあります。

そこで、日米を代表するトップ中のトップ経営者の顧客思考を紹介します。ほんとうに目からウロコな発想ですよ。

1. 競合他社はいない - Amazonのジェフ・ベゾス氏

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Amazonのジェフ・ベゾスCEOは、決して競合他社の名を口にしません。たとえば3年前、日経ビジネスの取材の一コマです。

― 日本の楽天という会社はご存知ですか。あるいは三木谷浩史社長はご存知ですか。
ベゾス:楽天という会社は知っていますよ。ほかの会社の話はしないので…(笑)。しかし、その会社のことを知ってはいます。

― カナダの電子書籍サービス「Kobo」を買収したのはご存じですか。
ベゾス:はい。買収しましたね。

― 「Kobo」はアマゾンのビジネスにとって影響を受けるほどのインパクトがありますか。
ベゾス:申し訳ない。本当にこれは長年の慣習なのです。私は、ほかの会社について話さないことをアマゾン全体の慣習にしています。そしてこれは良い慣習だということも実感しているんです。ですから…、ごめんなさい!(笑)

 と、一貫して競合の名を口にするのを拒みます。

もちろん年次経営計画を策定するときも、競争戦略はありませんし。競合の脅威が押し寄せようとも、競合に目を向けようとしないんです。

AmazonがIPOする3日前の1997年5月13日に、米書店最大手バーンズ&ノーブル(B&N)がネットに参入しました。当時、Amazonの売上高15.7百万ドル、純損失5.7百万ドル。それに対して、B&Nは売上高24.4億ドル(Amazon比約155倍)、純利益51.2百万ドル。まさに、巨人の進撃です。

B&NはAmazonに対抗し、ハードカバーを30%オフ(店舗では10%オフ)で販売したんですが、加えて「世界最大の書店(Earth's Biggest Bookstore)」というAmazonの広告コピーに偽りがあると連邦裁判所に提訴しました。

Amazon.con(詐欺), Amazon.toast(もうダメ), Amazon.bomb(爆発)と茶化され、メディアには“AmazonはB&Nに負ける”という意見が大勢を占めていました。

社員やその家族に動揺が広がる中、そんなときでさえ

いいか、君たちは毎朝、毎朝不安と恐怖で目を覚ましていることと思う。しかし、競合のことは心配しなくていい。お金を払ってくれるのは競合ではないのだから。それより顧客のことを考えよう。顧客に集中すればでいいんだ。
Look, you should wake up worried and terrified every morning. But don't be worried about our competitors because they are never going to send us any money.Let’s be worried about our customers and stay heads-down focused. 

と当時の社員150名を集めて話したといいます。

その後、ベゾス氏がどうなったのかは、みなさんご存知のとおり。1999年には、雑誌タイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。

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2. 「顧客のために」はダメ、“顧客の立場で”考える - セブン&アイ鈴木敏文氏

普段の何気ない行動は、常識に左右されるものです。セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文CEOは、「顧客のために」というのは一見正しいようで正しくない常識だとぶった切ります。

顧客第一主義をいい換えるとどうなるのか。何ごとも『顧客のために』と考えることだと思いがちだが、そのときはたいてい、顧客とはこうゆうものだと決めつけをしている。つまり売り手側の立場に立った発想で、ここにズレが生じる。本当に必要なのは、常に『顧客の立場で』考えることです、と説明すれば理解されやすい。

 マーケッターであれば、顧客の立場で考えることに異論はないでしょう。しかし、実践するのは簡単ではありません。それは、過去の成功体験や思い込みを断ち切り、能力や思考の範囲を超える必要があるからです。

鈴木氏はこの「言うは易し行うは難し」の状況を、なんと体臭に例えています。

人間は自分の体臭が自分ではわかりません。同じことは仕事のやり方についてもいえます。自分の体臭のなかに浸って仕事をしていると、変化に対応できていない現実になかなか気づかない。それは創業以来、市場の変化に対応しようとしてきたセブン-イレブンについても同じで、私は常に危機感を抱いています。

マーケットが変化するなら、売り手側も変化しなくてはならない。その際、忘れてならないのは、新たな需要は店のなかではなく、常に外にあるということです。コンビニの店舗というプラットホームの意味を問い直し、今は店の外にあるが、顧客の潜在的なニーズを掘り起こす商品やサービスを取り込み、照準を絞り込んでレコメンドし、新しい価値を伝え続けていく。これを絶えず繰り返していけば、単身世帯や共働き世帯の増加を背景に、新しい市場を生み出していくこともできます。決して市場は飽和しない。

 3. チラシはお客様へのラブレター - ユニクロ柳井正氏

「チラシはラブレター、他人に書いてもらうわけにはいかない。」と、ユニクロを運営するファーストリテイリング柳井正会長は言います。

ラブレターということは、お客様の立場を知り、お客様の心理をつかんでいないとダメ。そうでないと、お客様のほうは、そのチラシを見てわざわざ店まで行ってみようとは思わない。だからチラシを見て足を運んでみようと思わせるような、ワクワクするようなチラシにしないとお客様は絶対にやって来てくれない。

ただ、チラシは本質的には号外なので、チラシで商品や店舗のイメージを上げようとか、チラシで何か特別なことをしてやろうと思ってもうまくはいかない。 

成功は一日で捨て去れ (新潮文庫)

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 柳井氏の言葉には、「ラブレターをもらったら嬉しいはず」というような発想はありません。むしろ逆です。

「会社の目的はファンを作ること、顧客をつくること」、「会社は顧客のもの」と言う柳井氏は、チラシを細部までこだわって何度も校正するそうです。

ラブレターをやみくもに送り続けると、LINEなら既読スルーどころかブロックされることでしょう。でも、ブロックできないチラシなら、ラブレターはやがてスパムとなり、ストーカーのように感じてしまうかもしれませんね。

 

おわりに、

7月にローンチするTayoriは、顧客と良好な関係を築くためのツールです。現在、招待制で事前登録を受け付けています!